とれて取れすぎても赤字ってなんなの?
2020-7/17(金)
タイトル
「とれて取れすぎても赤字ってなんなの?」
ありがとうございます。
・・・愛しています。スピカになりたいアベリーの安部です・・・^^ ♪
これは、2014年のお話になります。
畑の面積は約60a(アール)、6反(タン)です。
作業小屋などの使っていない畑も入れて
ハウスで言うと8ハウスと半分の大きさがあります。
そこでイチゴを作ったのです。
そのころ農場では、常時3人のパートさんと従業員2人を雇っていました。
ひとりは、障害を持った子と、もうひとりは農業をやりたい一般人です。
パートさんは常時3人入れて約6名で収穫からパック詰め作業をします。
午前中から午後にかけて収穫したものをパック詰めします。
さて、
この年は、取れて取れて仕方がなかった・・・
収穫量が多すぎて収穫と出荷が間に合わなくなってきていたのです。
遅くても3日で全ハウスのイチゴを取り切りたいところでしたが、間に合わなくなってきたのです。
イチゴは、3日以上放置すると真っ赤に熟してしまうのです。
ところが、収穫量が多くなってきていて、3日ローテーションが崩れてきてしまったのです。
いちごは、真っ赤になってしまうのでした。
パートさんを増やしましたが、付け焼き刃です。
とりあえず頼んだので仕事が慣れずに間に合いません。
特に収穫は良いのですが、パック詰め作業が難儀しました。
パック詰めには規格があって、大きさと詰め方の規格があるのです。
初めての方がイチゴを詰めようとしても、なかなかうまくいかないのです。
時間を要すので収穫と出荷が遅れ始めたのです。
作業が進まずにいたところ3日ローテーションが限界のところ、1ハウスを収穫すると全ハウスを収穫すると同様の量が取れてしまったのです。8日ローテーションになってしまいました。^^;
そうなると、全ハウスが極度に赤くなってしまうのです。
完熟のイチゴになってしまうのです。それはそれは美味しいのですが、^^; その頃から赤すぎると農協からクレームが入るようになりました。
農協の方がしまいには全部1度、全部取りきって、捨ててくれと言いうのでした。
全部取って、次か3割が白いイチゴを収穫してくれと言われて・・・
下手の部分が白く残っていないとダメだと言われたのです。
1度は赤くなったイチゴを捨てたのですが、もったいない気持ちが先に立ちました。
やはり捨ててくれ!はないでしょう。
こんなで良いのだろうか?
何か方法はないだろうか?
イチゴは、収穫してからの足が速く腐ってしまいます。
保存がきかないのです。
また、収穫した早どりイチゴが赤くなってもバナナやキュウイのように後から熟しても甘くならないのです。
そう追熟では甘くならないのです。
そのころから、気づき始めた完熟イチゴの美味しいこと。
その美味しさは普通のイチゴの比ではありません。
こんな美味しい完熟イチゴを販売出来たら・・・
思い始めるのでした。
しかし、出荷は待ってくれません。
収穫したものを詰めて出荷する速度を早くしなければならなくなりました。
ぼくは、この矛盾を解決するのに更に応援を頼みました。
20人で収穫作業をしてもらい、慣れているパートさんを朝からパック詰め作業に充てるのでした。
それでも間に合わなかったほどイチゴが取れたのです。
そのころ、保存がきかない痛みが速いイチゴの保存方法を思いついたのです。
冷凍保存・・・
その方法は、のちのアベリー(お店)出来る経緯に至るのでした。
結局、通常はうれしい悲鳴になるはずが、ロスが大きく膨れ上がりました。
たくさん出荷して売り上げは上がるのですが反面、人件費や梱包費などの経費が膨れ上がりました。
たくさん取れても、こりゃダメだと感じたのは、その年の確定申告の時でした。
売り上げから経費を引いた収入がマイナスになったのです。
今までどうやって食べてきたのかさえ分からないほどの散々な結果になってしまいました。
僕は思いました。
たくさん取って、たくさん出荷する方法には限界がある。
市場(しじょう)に出すと言うことは、たくさん収穫してたくさん売り上げることが収入につながる。
この考えに疑問を持つのでした。
何か他のやりかたもあるかと思いますが、たくさん取ってたくさん出荷しても自分の収入につながらない。
限界があると思ったのは、この頃からです。
更に疑問を持ったのは、自分の手取り収入がマイナスになっても農協には、売り上げの10%やかかった経費(200万円以上)を支払わなければならず、その収入があれば楽に暮らせると思い始めるのでした。
大量生産・大量出荷を目指すごとが農家にとって良い? その考えを捨てる良いきっかけになったのです。
僕は、この年の惨憺(さんざん)たる失敗により、原点に帰り6次産業化を目指すことになるのです。
自分で収穫したものは自分で販売する。
更に加工して販売したり、捨てるような商品ロスをしない。
この考えを新たに認識するのでした。
そして、ここから始めようと決意するのです。
それからほどなく、アベリー(お店)が誕生するのでした。
僕は、貴重な経験をしました。
今からならどうすれば農業経営が上手くいくか?分かります。
僕はたくさん失敗しましたが、すべて良い経験になるのでした。
もし、農業をやり始めたい若者がいたら、相談に乗りたいと思うのです。
今日のお話は、これで終わりにします。
読んでいただいて、ありがとうございます。
「 僕はスピカになりたい」
それでは、皆さん… さようなら
・・・しあわせになろうね。 ポチッとな・・・(^^♪
これらのまっかっかのイチゴは出荷できません。↓
おおきいね。手のひらサイズです。
500円玉より大きいよ。ぎり出荷できるイチゴです。
捨てなければならないイチゴ^^;
もったいない・・・